私がまだ若かった頃、ある女性に「『言わない優しさ』というものもあるのよ」と教えられたことがあります。
 その頃の私は、思ったことを何でも言ってしまい、相手に対する気遣いができていなかったように思います。気づいていても気づいていないふりをする、そんな優しさもあると思います。
 一度、言わなくて良いことを言ってしまい、大失敗をしてしまったことがあります。
20代の頃、友人の奥さんにお会いしたとき、その奥さんに「太られました?」ととんでもなく失礼なことを言ってしまいました。その後、その場の雰囲気が悪くなってしまい、居心地の悪い時を過ごしました。後になって知りましたが「太った」と相手に言うのは、女性同士でもタブーだそうです。
 基本的に私は、思ったことは何でも正直に言ってしまいます。でも、それを言うことによって相手を傷つけてしまうような事は、言わない方がお互いのためですよね。
 世の中には、相手を傷つけないように、嘘(うそ)をつく人がいます。私は嘘をついてまで、相手のことを傷つけないようにはしません。そういうときは、嘘はつかずに黙っています。
 世の中の人は、ずいぶん嘘をつきますよね。私の性格からして、私は嘘をつくのが苦手だし、嘘が嫌いなので、嘘はつかないようにしています。嘘をつくためには、頭を働かせなければなりません。私が嘘をつかないのは、頭を働かせるのが面倒だからという理由もあります。でも、嘘をつかなければ、他人から信用されます。
 言いたいことを言わないのは、もどかしい事もありますが、「あえて言わない優しさ」というのもあるんですね。

それでは、また。

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