1989年に『「NO」と言える日本』という本が出版されました。日本人はなかなか「NO」と言えない民族のようです。西洋文化では「NO」が言えないと、うまくやって行けないようですが、日本文化では「NO」とは言わず、お茶を濁してその場をまるく収める方法がとられてきました。日本人は「NO」と言うことに罪悪感を感じるようです。
 私の知人の男性に、縁談を持ちかけられて「NO」と言えず、結婚した人がいます。それはそれで良いと思います。私も同じ人に縁談を持ちかけられたことがあったのですが、私は相手の女性と少しお付き合いをしてみたのですが、相性が合わなかったので、はっきり「NO」と言って縁談をお断りしました。
 「NO」と言えるためには、多少ですが悪人になる必要があります。お人よしや善人には、なかなか「NO」が言えません。そのとき「NO」と言わなかったために、後々もっと面倒なことになることがあります。それならば、最初から「NO」と言ってしまった方が、相手にも迷惑をかけないで済みます。
 私がハワイに旅行に行ったとき、Tシャツを買いに店に入ったのですが、その店の店員は、日本人が「NO」と言えないことを良いことに、お揃いのパンツもセットで売りつけようとしました。私はそのとき、はっきりと「NO」と言って、欲しかったTシャツだけを買いました。その店員も少しびっくりしたことでしょう。
 坂本竜馬は「事をなすには悪人たれ」と言っています。何か重大なことを成し遂げるには、善人ではできないことが多々あります。「あちらを立てれば、こちらが立たず」ということもよくあります。そんなとき「NO」という必要が出てきます。出来ないことは約束せずに、最初から「できません」というべきなのです。
 皆さんは日常生活において、「NO」というべき場面ではっきり「NO」と言えるでしょうか。

それでは、また。

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