私は精神的に一番苦しい状態は閉塞(へいそく)状態だと思います。閉塞状態とは前にも後ろにも進めない、停滞した状態をいいます。まさに心の地獄です。勉強にしても仕事にしても、長時間行うと疲れて苦痛を生じますが、まだ前に進んでいるうちは本当の苦しみとはいえません。逆に後ろに進んだ状態とは、例えば仕事で失敗し、その対応処理をしている状態がそうです。後ろに進んでいるとはいえ、進んでいるわけですから、これも本当の苦しみとはいえません。人間を含め、すべての生物は寝ているとき意外は活動しています。この動きが循環せず、止まると人は苦痛を感じます。
閉塞状態とは、例えば学業においては、勉強したくてもお金がなくて進学できない状態がそうです。それでも、アルバイトをしてお金を稼ぎながら学業を続けたり、奨学金をもらって学業が続けられれば、これは前に進んだ状態なので、閉塞状態にはなりません。仕事での閉塞状態とは、資金繰りがうまくゆかず、事業を継続できない状態などがそうです。赤字続きでも事業が続けられれば、いつかは黒字に転換できる希望があるので、閉塞状態ではありません。
心身的な閉塞状態とは、うつ病等の心の病気になったり、癌(がん)等の体の病気になった場合です。
人は頑張りすぎて精神的に完全に疲れてしまうと、誰もがうつ病や心身症(自律神経失調症を含む)になる可能性があります。普段、人一倍元気で真面目な頑張り屋さんほど、精神的なバランスを崩すともろいです。
閉塞状態に陥らないためには、心身が元気なときに整理整頓したり、まとめを行い環境を整えておくとか、仕事を定型化や自動化しておき、疲れたときや多少元気がないときにでも、仕事が継続できるようにしておきます。要するに、元気なときに仕事の「貯金」をしておくことです。また、心理的には中国の「太極拳」のようにしなやかなのがいいです。
私は、責任のある仕事を目前にして緊張感が高まったときなど、小唄で拍子をとるときに使う「ちん、とん、しゃん」と心の中で言って心を落ち着けています。常日頃から閉塞状態に陥らないために、元気なときに行動し、作業の貯金をしておくことが肝心です。

それでは、また。